第1章 当選
「あ、当選しちゃった」
試しに時給が破格のバイトに当たるわけないと応募してのだか、当選したらしい。
時給10万円なんて怪しすぎだけど、応募者は殺到してたみたい。
でも、怪しいなぁ・・・説明をよく読んでみると何人か候補がいて説明会に参加してみて嫌なら断ってもいいらしい。
代わりはいくらでもいると言うことなのだろう。
ちょうど予定の空いている日に説明会だし参加してみることにした。
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「柏木様ですね」
会場は何の変哲もないビルの一室で、学習塾のように教室が何部屋かあった。
爽やかな男の人が案内してくれる。
「こちらでお待ちください」
応接室に通されてソファーに座る
しばらく待っていると先程案内してくれた人が資料を持ってやってきた。
そして隣にはキリッとした女性。
「本校の塾長の松田です」
女性がにこやかに握手を求める。
塾長の話では、昨今、草食男子が溢れそのまま大人になってしまい女性と付き合いたいと思う頃には手遅れになっている人が多いという。
そんな世の男性の為に、手取り足取りをこの塾では教えていくという。
その教材をお願いしたいと言うことだった。
身体を触られる事はないというし、何より塾長の熱心な1時間にも及ぶ説得に根負けしてバイトを引き受けることにした。
「お疲れ様でした」
先程の彼がにこやかに言う
「僕がさんを教材にして教えていく講師の弘永です。
お疲れのところ申し訳ないのですが、もし時間があればこの後教室で授業の流れを説明したいのですが・・・」
すごく申し訳なさそうに言われては断れない
「さんの為にも、いきなり本番の授業よりは、予行練習があった方が緊張もほぐれるかな、と思いまして」
「確かにそうですね・・・ありがとうございます」
バイトは三日後からということで確かにいきなりよりは、流れを知っておきたい。
案内された教室は前に教壇の高さの低めの台椅子が置いてあり、そこを囲うように生徒用の席が6席用意してあった。
「授業はこちらの椅子にさんが座ってもらってやります」
どうぞと促され座ってみると、おしりが少し沈み自然に足が開く格好になる。