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捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第11章 鈍感マイクラッシュ!【Kalim】



「…あれ?」

カリムは呆然と立ち尽くした。
監督生を夕食に誘おうと思っていたけれど、追いかけるのも忘れた。

どうしたものか。
彼女に触れた手が、肩が、何だか心地よく痺れるように熱いのだ。

「そういえば監督生、オレよりも小さくて髪がふわふわしてたな。」


思えば絨毯の上で彼女が見せた、うっとりと夜空に見惚れる表情。
あの顔を見ると嬉しくなるのは何でだろう。

いつもと雰囲気の違う彼女を見ると、心が躍るのは何でだろう。

ありのままでいいと言ってくれた時、心にじんわりと暖かいものが広がる様な気がしたのは何でだろう。


またきっと、何度でも夜空の散歩へ連れ出してやろう。
そうすればまたあの顔が見られるから。
もっと監督生のことが知れるから。

カリムは心の内側がくすぐったい様な、不思議な気持ちになって、だけど幸せで、一人「はははっ」と笑った。


「楽しかったなぁ。」

この気持ちの正体はなんだろう?
ジャミル、もう帰ってきたかな?

「ん?なんだ?」


カリムの右足の横、コトンと何かが転がっている。

キラキラ光るそれを拾い上げる、とガラスでできた可愛らしい指輪であった。
見ると、直径は小さくて男の指には入りそうにない。


「監督生のか!」

さっき落としていったんだな。届けてやらないと。

今から追いかければ追いつけるかな。
…でも、やっぱり明日にしよう。

明日も監督生に会えるだろうか。
いやきっと会いに行こう。
そうして、この気持ちの答えを見つけよう。


カリムはガラスの指輪を自分の人差し指の先にちょこんと嵌めて、目を細めた。


「綺麗だなぁ」







To Be Continued…

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