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捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第10章 本命ベイブ!【Ace】




少しだけ蒸し暑くて、空っぽなコートでエースはドムドム、ボールを突いた。


「あー。ならさ、付き合う?」


ゴールに向かい、シュートを打つ。

…外した。

ボールはエースの方へ大きくバウンドし、帰ってくる。


監督生はコートの外で体育座りになってスマホを弄っていたけれど、顔を上げた。

「誰と?」
「いやオレたち」
「んー」


汗を襟元で拭って、ボールを指一本でクルクル回す。
監督生は考えているのかいないのか、んー、と言ったまま首を右や左に傾げる。


「どーすんの、パパッと選んでよ」
「そう言われると難しい」
「いや難しいってなんだよ」


パパッと決めていいことではないけれど、優柔不断は嫌いだ。
別に振られてもいいから早く言って欲しかった。


「んじゃ今からオレがシュート打って、決まったら付き合おうぜ」
「いいよ」
「いいんだ」
「うん」


エースはどうせ入らないだろうと思って、スリーポイントラインからゆるっとシュートを打った。

…これがまあ決まってしまったのだ。


「わ、すごい」

単純に凄いなと思った。
「今の撮ってればよかった〜」と言いながら監督生はコロコロ転がってきたボールを拾う。

「いーの?」
「何が?」
「オレ、今スリーポイント決めたけど。お前、オレと付き合うって話だったじゃん?」
「そうだね」
「いいの?」
「?だってエースが言ったんじゃない」


「変なの」という顔をする。

お前の方が余っ程変じゃね?
エースは思った。

嫌じゃないんだ。
オレだって嫌じゃないけどさ。


その日は、普通に日が暮れてきて、そろそろ帰る?ってなって、別にフツーの会話して、特にオンボロ寮まで送ってくわけでもなく。
てか寧ろ鏡舎で別れたから、オレの方が送ってもらったわ。

要するに、監督生と付き合うことになったけど何も変わらなかったって話。



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