第2章 強欲スネーク!【Jamil】
外に見える砂漠はオレンジ色に燃えている。
それとは対照的に涼しく広々とした、宮殿のようなお部屋。
ここは熱砂の国、アジーム家のお城…もとい、豪邸だ。
どうしてここに私がいるのかというと、こういう経緯があったからだ。…
・・・
数日前。
「カリムが君を熱砂の国に招きたいと」
「私を?」
その日、バスケ部の活動が終わったジャミル先輩と、図書室で調べものをしていた私は偶然に鉢合わせた。
実は、前からカリム先輩にはよくスカラビア寮に招いてもらっていてその度に「お前も熱砂の国に来いよ!」と誘われていたのだ。
ジャミル先輩は面倒くさそうにため息をついた。
「カリムは言い出したら聞かないからな。今度の休暇に、俺たちと来てくれないか?」
「!もちろんです、グリムも喜びます!」
・・・
かくして、私とグリムは闇の鏡でカリム先輩の実家までやって来たというわけである。
カリム先輩は私を、まるでお姫様の部屋みたいな大きな客室へ案内してくれたうえに私と同い年くらいの、女の召使さんを一人つけてくれた。
今夜はカリム先輩の計らいで豪華な宴を開いてもらえるらしい。