• テキストサイズ

もうひとつの記憶

第1章 私


五分くらい泣いた頃には、自然とブランコに座り、星を眺めていた。。
溢れる涙を止められないのが分かり、もう抵抗もしない。

「〇〇〇…。私、こんなに弱い子じゃないはずだよね…?いつからなんだろうね…。」

空に君がいる気がして、声をかける。
涙は頬から首へ。首から胸まで流れ、ワンピースに付いて染みる。
その筋が出来、涙の道は月明かりで僅かに輝く。
…会いたいけど、夢には見たくない。
でも、見てしまう。君が、微笑む夢を。
それから、居なくなっていく夢を。
―ボロボロで笑う夢を。

「っ…!」

また、私は立ち上がる。
呼吸が乱れる。鼓動が速くなる。体が重く、熱くなる。
息を切らし、胸を動かし、重たく俯き、顔を赤めた。

「っはぁ、はぁ…っ。」

会いたい。心がひたすら乱れ続けた。
/ 28ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp