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銀色の【銀魂長編夢】

第3章 万事屋銀ちゃん


所変わって同時刻の万事屋では、新八と神楽が中々帰ってこない銀時に苛立ちを募らせていた。

「買物も満足に行けないアルか、あの天パは」
「銀さんに任せた僕が馬鹿だった」
「わんっ!」

不意に定春が玄関の方に向かって吠える。

「帰って来たみたいアル」

神楽は酢昆布を食べる手を止めて定春と共に玄関に向かう。

「定春、今日は特別に銀ちゃんに噛み付き放題アル。ただし、アタイの酢昆布に手ぇ出したら承知しねぇがな」
「神楽ちゃん、標準語になってるよー。まぁ、程々にね」

新八はソファに座ったまま、銀時を痛め付けようと意気揚々としている神楽と定春に声をかける。
神楽が定春を連れて玄関に着くよりも早く、扉が開いてその人物が立っていた。

「おー、今帰ったぞ」
「おせーんだよこの天パ!行くネ、定春!」
「ガウッ!」

神楽の指示に一声吠えた定春は銀時の頭にがぶりと噛りつく。

「おーいお前、買物から帰って来た家主にこの仕打ちはねーんじゃねぇか。つーかおい、何か目の前真っ赤なんですけど…」
「大丈夫、銀ちゃん?」

銀時の後ろからひょこっと顔を出した少女は、特に心配そうな様子もなく、頭から血を流す銀時に尋ねる。

「いや、遼、何でお前この状況初見なのにそんな冷静なの?」
「いや、だって銀ちゃん慣れてるっぽいんだもん」
「慣れるかっ!」

定春を引き剥がして叫ぶ銀時と、その隣で笑う遼。神楽はその光景を口を開けて見ている。

「………」
「どうしたァ、神楽?」

不審に思った銀時が神楽の前で手を振ると、現実に引き戻された神楽が銀時の胸倉を掴んで締め上げた。

「こんな時間に幼気な少女を家に連れ込むなんて何考えてるアル!」
「どわっ!」
「うわぁ…」

銀時の顔に減り込んだ神楽の拳を見て、遼は目を瞬かせる。

「やっぱりマミーの言う通りネ!男はみんな狼の皮を被った変質者ネ!」
「それ被る必要ねェだろっ!」
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