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銀色の【銀魂長編夢】

第7章 何でカタカナの名前?


叩かれた頭を押さえて「何をする」と訴える桂と、意に介さず鼻をほじる銀時の姿に、遼は困ったように笑い、ズボンのポケットの中の物をぎゅっと握った。
傍目には御守りに見えるその中には、遼の秘密と嘘を封じ込めている。

「銀ちゃん、私そろそろ行くね」
「おう。また顔見せに来いよ」
「うん。じゃあね、ヅラ。今度会った時は捕まえるから覚悟してね」
「ヅラじゃない桂だ。俺を易々と捕まえられると思うなよ」

「またね」と言って出て行った遼を見送って、銀時と桂は改めて対峙した。

「銀時、どう思う?」
「何がだよ」
「遼の目的だ。それに、死にかける程の怪我をして容姿が変わったと言っていたが、何か知っているか?」
「怪我って何だよ?!」
「知らなかったのか」

銀時の反応に驚いた桂は、暫し押し黙る。
桂自身も詳しい話を聞いたわけでは無いが、長らく攘夷志士として活動している桂は銀時よりも界隈の話に詳しかった。

「遼の事は、本人に聞け。俺も全てを知っているわけではないからな」
「勿体ぶるんじゃねーよ。何か有ったらどうすんだ」
「もう、有るではないか」

桂に睨まれ、銀時は「俺のせいじゃねぇよ」と返す。
真選組に入隊したのは銀時としても不本意な出来事であったし、桂に言われずとも現在進行形で腹が立っているのだ。

「つーか、何でヅラが知ってて俺が知らねーんだよ」
「遼の事だ、お前に心配をかけたくないのだろう。お前を頼って江戸に出て来たくらいだからな」
「は?」
「それも知らなかったのか」

驚く桂に、銀時はますます苛立ってがりがりと頭を掻く。
遼は一体幾つ、秘密を隠しているのだろうか。

「銀時、俺は遼が何故真選組に入隊したかは知らないが、そこに関わっているのは恐らく御三家だ」
「御三家ェ?」
「断定は出来ないが、警察組織の中で真選組はそこに一番近いからな」
「わざわざ面倒事に首突っ込むなんざ悪趣味な事だな」
「安心しろ。その内貴様も首を突っ込む事になるさ。
では、俺もそろそろ失礼する。それから──夜道には気を付けろよ銀時」

妙なフラグを立てて帰っていった桂に、銀時はやれやれとソファに座った。
ゆっくりと、けれど確かに動き始めている。
不穏で、不吉な何かが。


──つづく
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