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銀色の【銀魂長編夢】

第6章 部屋と隊服と私


「はっ、攘夷浪士に恨みでもあるのか?」

揶揄いを含んだその言葉に、遼はぎゅっと唇を引き結んで土方を睨みつける。
その姿をどう受け取ったのか、近藤がパシリと膝を叩き「覚悟は決まってるようだな」と、笑った。

「遼ちゃん、トシはこんな性格だし、立場もあるから君に厳しくするだろう。だから後は、君次第だ」
「局長さん……」

暗に、努力をしろと言っているのだ。
真選組に居るのなら、居たいのなら、負けるなと。
遼は姿勢を正すと、真っ直ぐに近藤を見据えた。

「ありがとうございます。それから、宜しくお願い致します」

頭を下げた遼に、近藤は「こちらこそ、宜しく」と言って笑う。

「神武遼。本日より副長補佐見習いとして、真選組仮入隊とする」

近藤がそう告げると、これまでおとなしく様子を見ていた沖田が、あることに気が付く。

「近藤さん、神武の部屋とか隊服はどうするんですかィ?
まさか、一般隊士と同室ってわけにもいかねぇでしょう」

真選組の隊士は、基本的に屯所内に居室を持ち、生活している。
隊長格は一人に一室が与えられているが、一般隊士は数人で一室を使用しているのが実情だ。
隊士が増えている現在、部屋に余裕はない。

「私はどこでも大丈夫ですよ」
「いやいやいや、男性隊士と雑魚寝なんてさせられないよ」
「どうしてですか?」

首を傾げる遼に、逆に近藤が慌てる。

「要するに、アンタに欲情した隊士が発情期よろしく興奮して襲いかかるだの、犯そうとするなんて事があるかもしれねぇって事でィ」
「私に?まさか、有り得ませんよ」
「真選組は常に女日照りだから、女ってだけで喜ぶ奴は山ほどいるぜ」
「そんな物ですかね?」

不思議がる遼に、近藤と沖田は一抹の不安を感じた。
もしかしたら、遼は物凄く鈍いのかもしれない、と。
或いは、世間ズレしているのか。

「兎に角、君には部屋を用意するから。まあ、反対する奴も居ないだろう」
「ですが、それでは申し訳が……」
「じゃあ、俺の部屋に来ればいいんじゃねぇですか?」
「総悟、それは一番駄目だろう。同い年の男女が」
「同衾なんて?」
「ど、う、し、つ!」

とんでもない言い間違いをする沖田に、近藤は慌てて訂正する。
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