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帰るべき場所

第11章 謝罪


 第二次試験、死の森でのサバイバル戦で負傷したシズクは思うように動けず、しばらく横になり体を休めることを余儀なくされていた。
 その間にセツナとヒタキが必要な巻物を奪って来てくれていたため、残りの時間を回復にあてる事が出来た。お陰で傷も順調に快方へと向かっていった。
 こうして死の森を突破したシズク達受験者は、いよいよ第三次試験へ駒を進める。木ノ葉のルーキー達、特に心配だった第七班が無事に通過しているのを確認し、安堵しながら会場へ移動した。
 そして火影や試験官達からの説明が終わり班別待機となった途端、サスケが真っ先に自分の班ではなくシズクの元へやって来た。一直線につかつかと歩み寄り呼び掛けてくる。

「シズク」

 これから第三次試験が始まるという時に呼び止められ、シズクはやや動揺しながらも足を止めた。

「サスケ…?」

 死の森で襲われたあの深刻な容態からは回復したようだったが、目の前の彼は思い詰めた厳しい表情で少し怖い。それでもシズクは平静を装った。

「どしたの?もう試験が始まっちゃうよ」
「…その怪我はどうした?」

 袖口からのぞいた包帯を見つめてくる彼に唐突に質問される。すぐに笑顔を作って誤魔化した。

「え?これは…試験中にミスって自爆しちゃって」

 軽い口調で話すも、サスケは少しも取り合わずに詰め寄って来た。

「俺を庇ったのか?」

 サスケに本当の事を言う気はなかった。状況はどうあれ、確かにあれは自分の勝手な行動が招いた結果なのだから。だが彼はどうやら真実を知っている様子だ。

「俺のせい、か…?」

 返答出来ずにいると、サスケが片方の腕を上げこちらへ向けてくる。張り詰めた雰囲気に気圧され、何をされるのかとシズクは体を強張らせた。
 でしゃばるな、とかってぶたれるかも…?
 目をつぶった次の瞬間ぐっと引き寄せられ、気付けばサスケの腕の中に収まっていた。



















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