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帰るべき場所

第9章 ルーキー


 いよいよ中忍選抜試験が始まろうとしていた。第一次試験会場に受験者達が続々と集まってくる。シズクもセツナ、ヒタキと共に会場である教室で待機していた。
 彼等はシズクより一つ年上で、以前にもこの試験を受験したことがあるという。経験者と同じ班であることはかなり心強い。
 元よりこの二人は、様々な場面に対応出来る実力を持っている。アカデミー卒業ほやほやと一緒にするな、などと言うだけに、任務時は素晴らしいチームワークを見せて明らかに任務慣れしていると感じさせた。わざと力を抑えているのではないかと疑う時すらあった。
 今期卒業生扱いとなったシズクはイレギュラーな存在、里が半ば強引に用意した班編成となっている。学年や実力の違う彼等と組むのは致し方ない。
 二人はアカデミーを出て普通に下忍として活動しているとのことだったが、一年でこんなに差がつくのか、木ノ葉の忍は優秀だなと初任務時に感心したものだ。
 だからこそ、共に過ごしていて感じる彼等の強さからすると、前回不合格という結果は腑に落ちなかった。



 次々と受験者が訪れるなかようやく第七班が到着し、今期卒業したばかりのルーキー達が揃う。彼等の騒ぎを見やりながら、シズクはにわかに緊張感が増してきていた。

「うちはサスケ…」

 サスケ達に気付いたヒタキが小さく呟く。セツナが待ってましたと言わんばかりに拳を握り締めた。

「ヤロー来たなぁ、あいつ今年のルーキーのナンバーワンなんだってな、ぜってー潰す!」
「待ってよセツナ、潰すって…」
「この試験自体潰し合いだろが。シズクにちょっかい出す奴にはオレ様が痛い目に遭わせてやる」
「私的感情入り過ぎ…忍らしくないよそれって」
「うるせー」

 純度百パーセントの私的理由でターゲットを絞る彼に焦って返す。そんなシズク達の言い合いを収めるようにヒタキが割って入った。





















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