第9章 見たくない真実との向き合い方
大倉side
朝目が覚めると
昨日の胃のムカムカが嘘のように
スッキリと消え去っていて
お腹ぎグゥーっと元気な音を立てる
何があって
こんなに体調が良くなったんや?
そんなことを思いつつ
手に握りしめたままだったスマホに
目を落とし思い出したんは
電話をかけたくせに
何も喋れない俺に
一人ずっと喋り続け
時々楽しそう笑うひなこの声が
心地よくて
その笑い声を聞きながら
眠りに落ちたこと…
ひなこの側を自分から離れたくせに
違う人の側を選んだくせに
驚くほど最低な自分に
笑うしかないけど
とりあえず今は
気持ちの良い朝に感謝して
一日を過ごしてみよう