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ネモフィラを夢に見る

第7章 Small Woman







モニター画面が真っ赤に燃え上がった後、暗転した。その直後に電話はかかってきた。



楓「なにかしら、ジン。」
ジン「シェリーを追え。」
楓「・・・無理に決まってるでしょ。カメラも燃え落ちたわ。」
ジン「チッ。」
楓「それとも、貴方たちの姿が映った防犯カメラのデータはそのままでも構わない、と?」


そう告げると、静かになる電話の向こう。



楓「残念ね、シェリーを殺せなくて。」
ジン「・・・殺されたいらしいな。」
楓「代わりに貴方が私の仕事を全て請け負ってくれるというのなら、その相棒を向けてくれても構わないよ。」


また電話の向こうで舌打ちが聞こえる。それに満足して、言葉を続ける。


楓「ウォッカ、そこにいるのでしょう?報告が聞きたいのだけれど。」
ジン「ピスコは始末した。・・・テメェ、気付いてやがったな。ピスコの殺害方法に。」
楓「私は事前に教えてあげたよ。外堀を埋めるべきだって。」


クスリと笑うと電話の向こうでハッと嘲笑う声が聞こえる。


ジン「マスコミに写真を撮られることすらも想定済だったのなら、何故事前に伝えなかった?」
楓「こんな子供の意見、聞くような人間でもなし、それくらい気付くだろうと思って。」


そう告げればクックックッと楽しそうな笑いが聞こえる。


ジン「まぁいい。現場から離れたらウォッカから電話させる。」
楓「えぇ、待ってるわ。」
ジン「仕事はしないんじゃなかったのか?」
楓「外出する仕事はしてないから、実質してないのと変わらないわ。」
ジン「さっさとそのお遊びに飽きろ。」
楓「新しい言葉だわ。覚えておく。」



そう言って電話を切る。

そういえば、暫くベルモットに会っていないな。



楓「・・・まぁ、大女優だもの。忙しいに決まってる。」


不意に思い出す言葉。


いていいのよ。



あれは、自身に向かって呟いていた言葉なのだろうか。





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