第5章 優しいあなた【レオナ/微々裏】
主人公レオナ呼び捨てです。
レオナ→主人公
主人公→レオナハトモダチ
「レオナー?…呼んだくせに部屋にいないなんてことある?」
事の発端は今日の朝。
たまたま廊下ですれ違った時に放課後「来い」とだけ言われて今に至る。
だいたい来いなんて言う日はラギーがいなかったりでお世話の代わりをさせられる。
面倒くさい。
しかし、今日は来てみたものの姿が見えない。
おじたんはどこに行ったのだろうか。
ラギーがいれば分かるかもしれないが、ラギーもいない。
「んー、どうしよっかなぁ。眠たいんだよなー、、帰りたいけど勝手に帰ると怒りそうだし」
そう思いながら部屋を徘徊する。
徘徊して数十分。
戻ってくる気配は全くない。
色々考えてみたが、来たら起こしてくれると期待してベッドの端に寝っ転がることにする。私だってこの眠気には勝てまい。
流石にベッド全部使うのは気が引けるため、控えめな気持ちを表すために端っこに寝転がる。
謙虚だぞ、私。
横になってしまえばあっという間に睡魔に誘われ、意識が遠のいていく。
それから30分後……
「でもレオナさんこないだもそうだったじゃないっスかー。今日まで放課後も授業させられるとかもう嫌ッスよ」
「俺だってめんどくせぇよ。あたりめぇだろ……ん?」
レオナが部屋の扉に手をかけた瞬間ピタッと動きを止める。
「あれ、なんか違う匂いがしますね」
「…………あーーーーやべえ」
レオナは急に焦ったように頭の後ろをかく。
「レオナさん?」
「ラギー今日は帰っていいぞ。客人がいたの忘れてた」
「えええ!!?人呼んでたのに放課後授業、というか補習受けさせられてたんすか!ぇぇぇぇ…」
「うるせえ、早く帰れ」
はいはーい。と言いながらラギーは去っていく。
レオナはまたせたことを怒っているのかどうするべきか必死に考えたが、何も浮かばず諦めて部屋に入った。……が。
「……は?」
そこで見たのはベッドの端で小さくうずくまって寝息をたてているユウ。
「…まじかこりゃ、、、」
思ってもいない状況に思わず混乱する。
少なからず、こちらが好意を抱いてる相手が自分のベッドで寝ているのだ。
「…くっそ美味そうだなおい…」