第30章 「進化する野獣」

『やっぱりこの方法しかないのよ。はい、座って』

仁藤「…………」

は弓矢を構えて仁藤に向けて放った

輪島「グレムリンからベルトを取り返すしかなさそうだな…」

凛子「そうねぇ…。じゃあ仁藤くんと中本さん、盗まれた時の状況をお聞きしたいんですけど…」

『……………』

中本「…え?」


―――研究所―――


凛子「じゃあ仁藤くんは盗まれたとこ見てないのね?」

仁藤「あぁ。中本さんの悲鳴で起きるまでぐっすり」

凛子「じゃあ中本さん、最初に気づいたのはあなた?」

中本「はい。そうです。一応…」

凛子「グレムリンが盗んでいくところは見たんですか?」

中本「あ、見ました。私も寝ていたんですが…物音で起きたらちょうど逃げて行くところで」

凛子「どこから?」

中本「え?えーっと…確かそこの窓だと…ショックで記憶が…あやふやだなぁ…」

凛子はを見た

は凛子を見て頷いた

そして晴人は仁藤の肩に手を置いた

仁藤「ん?」

一旦研究所を出た


晴人「なぁ、お前とベルトと指輪盗んだの、中本さんじゃないかな」

仁藤「はぁ!?何言ってんだ、あの人だって発掘品盗まれて…!」

凛子「それは嘘だと思う」

仁藤「…?」

晴人「長年くすぶってた中本さんにとって、今回の発掘は大きなチャンスだ。だから…」

仁藤「よし分かった!!皆まで言うな。俺が本人に確かめる」

凛子「え、あ!ちょっと待って!!」


―――研究室―――


ﾊﾞﾀﾝｯ!!


仁藤「なぁあんた!俺の指輪とベルト、盗んだのか?」

瞬平「え!?」

凛子「何て直球…!」

晴人「大胆…」

『ふふふっ…』

中本「何のことだ…」

仁藤「自分の発掘品盗まれたって嘘ついたのか!?」

みんなの視線は中本に集まる

中本「違う!!違う違う違う!!もういい…。私を疑うような奴らに守ってほしくなどない!!出て行け!!」

中本は全員を研究室から追い出した

凛子「やっぱりプロね。ちゃん、どう?」

『みんなの言った通り。全て正解。それに…仁藤さんの指輪とベルト、この研究室の中にある』

晴人「仁藤」

仁藤「いや、むしろよかった」

「「「え…?」」」