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weak person
第1章 *僕は
僕は、彼女の手から包丁を奪う。
もともと力の差もあり、彼女の手も震えている今、それは容易く奪うことが出来た。
そして、僕は、彼女の手を握った。
その手は、冷たい。
「ごめん」
そう言うと、奈津美の瞳から、涙が溢れる。
寂しかったんだろう。ずっと。
「もう、しない」
本当に、ごめん。
そう言って、奈津美に唇を重ねようとしたそのとき、
ーー腹に、激痛が走った。
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