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weak person
第1章 *僕は
彼女は、僕の呟きには何も言わず、ベッドに横たわるえみかの体から、包丁を抜く。
そのとき、暗闇でも分かるほどの真っ赤な血が、跳ねた。
そして、その血が付いた包丁を、僕に向ける。
殺されることは分かっていたけれど、改めて突き付けられると、やはり体が震えてしまう。
こんな僕は弱い。
そんな僕に、奈津美は言った。
「…………あなたが、許せなかったの」
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