• テキストサイズ

とりかえばや!(ヘタリア)

第8章 目を覚ますとそこは…


ゆっくりと身を起こし時計を見る。
三時を指していた。

「長い、夢を…?」

薄暗い部屋は、すべて見慣れたものばかり。

机、制服、参考書。


だけど、どうしてこんなに悲しいんだろう。

あの世界での毎日から、突然ぷつりと切り離された寂しさ。

仕方がない、夢だもの…。

「ううう、でもさ、こんなのってないよ…」

私はそのまま布団にくるまって朝まで泣いた。








「おはよー…」

朝、はれぼったい目で朝食を食べに居間に入ると、家族が不思議そうな顔でこちらを見ている。

「…?

ごはん…ちょうだい?」

そう言ってお茶碗を差し出すと、母は、「あ、ああ」と言ってご飯をよそって渡した。

懐かしい、家族との食事。

うれしいけど、すごくうれしいけど、…すごくさびしい。

また泣き出しそうになったので、ご飯を思いっきり掻きこんで立ち上がった。


「あ、村崎…?」

そのまま学校へ直行しようとする私を母が止めた。

靴を履こうとしていた手を止めて、少しだけそちらを向くと、


「…村崎よね?」

と意味のわからない問答がきた。

「何?
 遅れちゃうからもう行くね!」

そう言って、靴をしっかりと履き、玄関を出た。

学校も懐かしいなぁと浸りながら、ふとポストを見るとポストから何かがはみ出していた。

大きな封筒が気になり、ポストから引き抜いてみると、私宛だった。

ずいぶん分厚くて、なんの資料かなぁと思いながら試しにあけてみると、そこに入っていたのは、…なんと漫画の原稿だった。
/ 106ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp