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鬼胎を抱く

第4章 鬼と念能力


飛んでいきそうな頭巾を慌てて押さる。
凄い威圧感だ・・・。
この光景を脳に焼き付けるよう目を見開く。
人間にも、こんな事が出来るのか。

「ふうぅ・・・。」

ジンは、ゆっくりと力を抜いていき、息を吐き出す。
私は、パチパチと拍手をする。
拍手をしたのは何となくだ・・・。

「良し!次はお前の番だ!!」

そう言ってジンは、ニヤリと悪戯っ子のように、笑った。

「・・・って言っても分からないから、まずは説明な!
練は自分のオーラを体内で練り、精孔を一気に開く。すると、通常以上のオーラを生み出すことが出来る、という訳だ。・・・どうだ、やってみろ。」

オーラを練る?
疑問に思いながら、やってみる。
ほら、よく言うじゃないですか。学校の先生が何度教えても理解しない生徒に「とりあえずやってみろ!!」って・・・。
そんな感じにやってみる。

「すうぅ・・・。」

息を吸って、止める。
そのままオーラを体の中心に集め、グルグルと回る渦を想像する。
そして、止めたままの息とともに、一気に放出するっ!!
風が下から上へと巻き上がる。
次はジンじゃなく、私を中心にして・・・。
凄い風に目を開く。
ジンを見れば、満足そうに鼻を鳴らしていた。

「んお!?もう真っ暗だぜ、今日はここまでにする!鄙鬼、帰るぞ!!」

ニカッと歯を見せて笑うジンは、子供のように無邪気だ。
何だか微笑ましくなり、つられるように此方も笑ってしまう。
そんな私を見たジンは、真っ赤になり、酸素を求める魚のように(金魚草のように)パクパクと口を開いたり、閉じたりしている。

「・・・?」

私が不思議そうに首を傾げたからか、静かに下を向いた。
少し心配になって、顔を覗き込むと、余計に真っ赤になってしまった。
大丈夫かと聞くと、

「な、何でもねぇ!!」

と言って、先に戻ってしまった。
何か、気に障る事を言ってしまったのだろうか?

「う~ん?・・・ま、いっか。」

暫く、5秒くらい考えたが面倒くさくなったから、考えを中断して早歩きで家に向かった。

「・・・お腹すいた。」



鬼と念能力 END












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