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鬼胎を抱く

第3章 鬼と弟子


カイト視点



初めてだこんな事・・・。
その日は近くで仕事があったから、挨拶をしようとジンさんの所へ寄った。
いつものように、一言声を掛け扉を開く。
俺の目に映ったのは、大人しそうな少女と話すジンさんだった。
二人は、顔を此方に向ける。
少女は、とても美しかった。
栗色の柔らかそうな髪に、長い睫毛で縁取られた大きな瞳。肌は透き通るように白く、ピンクで頬をほんのりと染めている。
一番目を引くのは、少女の額に生えている黒い角だ。
普通は怖がるであろう其れは、よりいっそ少女の美しさを引き立てていると俺は、感じた。
そんな彼女を見た時からだ。
彼女に見られていると思うだけで、心の底から歓喜が沸き起こる。
それと同時に、体が火照る。
熱に浮かされた様に、ぼーっとして考えが上手く纏まらない。

「私、鄙鬼と言います。」

そう声を掛けられ意識が戻る。

「・・・え!?あ、はい、カイトと言います。」

びっくりして、思わず吃ってしまった。変に思われていないだろうか・・・。
しかし、声も綺麗だったな・・・。
鄙鬼さん達の話を聞いていると、どうやら鄙鬼さんは、ジンさんに念を教えてもらうらしい。
ならば、暫くは此処に居るのでは?
そう思った俺は、最後まで話を聞かず、隣の部屋まで移動する。
掃除をそっこうで終わらせ、鄙鬼さんの下へ戻る。まぁ・・・、ジンさんも居たけど。
そして、部屋へ鄙鬼さんを案内した。
部屋へ入るさいに、鄙鬼さんは俺に頭を下げた。

「鄙鬼さん・・・、かっこいい。」

あのクールな態度・・・、あぁ、俺はもう貴方の虜です。
これが恋なんて、俺は知らない。



おまけEND









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