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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第3章 新たな対手



今日から、勉強好きな五十嵐学園の生徒で
さえも楽しみに待っている
夏休み。

だか、それは、智にとっては、
うんざりするほどつまらない日々の
始まりだった。

だって……


翔がいない!


翔の大学のサッカー部は、夏休みの間中、
練習に集中する為に合宿をするらしい。

少なくとも七月いっぱいは
抜け出してくるわけにもいかないとのこと
だった。

「ヒマ~、ヒマ~、ヒマぁぁぁぁ~!!!!」

することもなく、
ハムスターのクッションを抱え
ゴロゴロしてた時だった。


ゴトリと、
玄関のあたりで物音がした。
もしや翔ではとドアを開けてみたものの、
そこに人の姿はなかった。

だが、新聞受けに何かが
入っているのに気がついた。

チラシとかの類ではなく
表にも裏にも何も書いてない
業務用の茶封筒だったが妙に分厚い。

今の物音は、これを入れていった
音なのだろうか?


「何だ…コレ…?」

開けてみると、けっこうな枚数の
A4の用紙が出てきた。

色気も素っ気もない紙で
印字がビッシリと並んでいる。

文面わ見た瞬間ーー
智は、カッと顔を怒りに歪めた。

「ふ…ふざけんなっ!!!!!!」
と吐き捨てた。

『ホモ野郎、ホモ野郎、
ホモ野郎、ホモ野郎……………』

計10枚の用紙に
最初から最後までその言葉だけが
連ねてあったのだ。

自分のすべてを理解した上で
ゲイを自認して少しいい気になっている
智は羨望の的にもなれば、嫉妬の対象に
なることもしばしある。

妙な偏愛の男のターゲットにも
なりやすいのであった。

過去にも、ストーカー紛いの男に
つけ回されたこともある。

だから、ある程度覚悟はしているが………
それでも、こんな悪意だらけの手紙には
やはり慣れることはない。


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