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もっと。

第1章 もっと。




放課後。
授業を終えて部活へ向かう際、パタパタと廊下を走る音がする。見ると空っぽになった教室へ向かう彼女だった。一緒にいたフロイドが、「小エビちゃんとこいくでしょ?」と言いながら教室の入り口まで来る。


「ジェイド〜、今日でよくない?俺が何とかするからさ〜」


「…わかりました、僕は部活もありますしね。」





「監督生さん。」


教室から出て来た彼女に声を掛ける。手にはテキストが握られていた。


「ジェイド先輩、どうしてここに?」


こちらを見て小首を傾げる姿が愛らしい。後ろからフロイドが顔を覗かせ「俺もいるんだけど〜」と言うと、彼女は少し戸惑っていた。
見かけたから声を掛けたのだと伝えると嬉しそうな表情を見せる。フロイドもコロコロと表情(と言うよりは態度ですね)が変わりますが、彼女はまた違った意味で変わるので見ていて飽きない、なんて思っていると、フロイドが彼女をモストロラウンジに誘った。
「今日でよくない?」と言うのは、彼女にデザートをご馳走するというものだった。
突然の誘いに、こちらを見ながら返答を悩んでいるので、部活に出掛けることを告げ、先日のお約束であるデザートを堪能して来てください、と言った。
きっとフロイドと2人きりという事がネックなのでしょうが、僕もラウンジで出すメニューに使うキノコの採取に行かなくてはならない。(何故かフロイドやアズールには無理をするなと言われますが。)
軽く会釈をして、後はフロイドに任せ山へと向かった。

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