第5章 苦労者
歌仙side
歌仙は雑炊を作りながら澪の事について考えていた。
「今度の主は凄くお転婆だな。でも主の周りはいつも笑顔が溢れている。何より主の霊力は暖かい。」
主には振り回されることが多くなりそうだがそれも楽しみになるくらいには歌仙は澪に心を許していた。
「はぁー、僕も抱きしめて欲しかったな…」
先程鍛刀部屋にて今剣が主に抱きしめられていたことを思い出す。
「って何を考えているんだ僕は!」
顔を赤くしながら自分を正気に戻すために頭を振っているとどこからともなく ドタドタドタ という廊下を走る音が聞こえてきた。
「これは主と今剣とこんのすけ…?廊下を走るなんて全く!雅じゃない!」
先程まで澪を想い顔を赤くしていたのは誰かと問いたくなるぐらい怒っている歌仙に主が怒られたのは言うまでもない。