[おそ松さん][カラ松][閲覧注意]レイクサイドロッジ
第4章 事の真相
「どういうことだ…」
連れ去ったにしても柔らかい砂浜なので、足跡は残るはずだ。引きずったならその跡がなければならない。よしんば跡が残らなかったとしても、何らか痕跡は残る。それに、あれだけぐったりしていたタケを、誰にも気づかれずに連れ出すなどできるだろうか?もしやと思ったカラ松はボートの方を見た。
「………」
ボートは先程置いた場所にそのままの状態のままだった。掛けられたシートが風にあおられている。
「風が強くなってきたな」
管理人が薪を抱えて来た。
「冷えてきますので、焚き火をしましょう」
「…タケはどうした?」
管理人はうつむく。
「残念ですが…」
「………どうやって、どこにやった?」
「受付のカーテンを持ってきて、それに乗せてボートのそばに………えっ?!」
ボートのそばには何もないことは、さっきカラ松が見て確認している。管理人は顔面蒼白で震えだした。
「そ、そそそんな……!確かにあそこに………!!ひ………!ひぃいいい!」
悲鳴をあげたと同時に誰かが急に現れた。
「ぎゃあああ!」
「うわ!なんだ、なんだ!」
現れたのは、レオだった。
「もうお一人は…?」
「来る気ないって。それよりカラ松、大丈夫か?」
「……ああ、何とかな」
「そうか…。俺、気が動転して勝手に走ってさ、ようやく冷静になったんだ。やっぱ一人になるのはまずいよな」
「ああ、俺もそう思う」
「何か飲み物、お持ちしましょうか?」
「そうだな、お願いするよ」
「俺も」
管理人は頭を下げて受付の方へ向かった。少し間を置いて後をつけるカラ松に、レオも慌ててついてきた。
「どうしたんだよ?」
「しっ!俺はあの管理人が怪しいんじゃないかと思ってるんだ。だが証拠がない。だから後をつけて確かめる」
「わかった」
足音を立てないようにして、様子をうかがう。ちょうど管理人が冷蔵庫を開けるところだった。中に何が入っているかは管理人の体が邪魔で見ることが出来ない。と、管理人が何かを取り出した。どうやらペットボトルのようだ。色からしてコーヒーだろうか。
「なんだ、コーヒーじゃん」
「でも肌寒い時にアイスコーヒーか?冷えるぞ」
見ているとカップに入れたコーヒーをレンジで暖めだした。
「アイスのしかないだけだろ」
本当にそれだけだろうか?疑問は残る。