第3章 一人目 案内人ルカ

時々背中に私と違うルカさんの固い胸が当たって、その度にビクッとしてしまって落ち着かないし。


「ッ…は」


胸の先をルカさんが揃えた指先でぷにゅ、と中に押し込んで、息が止まる。そこの部分だけ刺激が強いのに驚いたからだった。


「身体をもっと僕に預けて。気持ちいい？」


彼はそれに気づいたのか、一旦泡を置いてからはそれで撫でるだけにしてくれているらしい。

うまく話す事が出来なかった。
私はルカさんの事を怖くなくなった訳じゃない。
それから、やわやわと触れられている肌が鋭敏になり過ぎて混乱していた。


「っ……は、…い」


泡が形を変えて移動するたびに、擦れた所がじんじんする。
そのうちに、触れていた両手がお腹や腰の辺りに移動していき、すると若干くすぐったいながらも肌の感覚がましになった。


「さて、どう料理しようかなあ」


そして考え事をするいとまもなく、彼のその言葉に再び固まる。


「あっ…あの！！ 私はやることがあるので……出来れば！ 殺さないでください！」


ルカさんは悲鳴に近いような私の声に何も答えを返してはくれず、私のお腹に手を回して自分の方へ引き寄せる。
これは、羽交い絞めにされているのだろうか。
動かないように？ そして彼の沈黙が物凄く怖い。


「……っ」


首筋の髪の生え際に息がかかり、このまま噛まれるかもと緊張が走った。
けれどもその隙間から耳に届いたのは先ほどと同じルカさんの暢気な声色。


「きみ、やっぱり変わってる」

「え……？」

「じゃ指ならいい？」


指。それ、位なら。どうせ病気なのだし、今更指なんて無くっても動ける。
それでもこくんと唾を飲み、小さな声ではい、と言うのがやっとだった。
出来れば余り痛くないようにとお願いしようとすると、私のお腹に当たっている手がするすると下におりていった。
足の間にルカさんの指先が滑り、差し込まれた時にくちゅりと音がなった。


「えっ、ひゃ」


もっと奥まっているそこを確かめるようにすりすりと動いてくる。


「あっ？」


私の口から思わず大きめの声が出てしまう。当たる刺激がさっきよりもキツくて、腰が勝手に暴れた。


「ルカ、さっ……」


そこは自分で、と言うけれどルカさんはそれを止めない。