第26章 十王の晩餐
秦広王「あ…と」
落としてしまったスプーンをすぐに拾う補佐官。
補佐官「すぐに代わりをお持ちします。ワインのおかわりはいかがなさいますか?」
秦広王「うむ。よきにはからえ」
閻魔「(!!物凄い主従関係!!かたや何かの切れはしをパンパンやってマナーを見張るワシの腹心二人!!)」
閻魔「ちょっ…ちょっと鬼灯君瓜美君。彼らをごらんよ…君達も少しは見習って……」
貴方・鬼灯「うちはうち!よそはよそ!!」
閻魔「ひっ…久々に出た瓜美君と鬼灯君のお母さん節!!」
王「…さすがは大王。部下から違うな……」
王「…うむ……」
初江王「鬼灯殿、瓜美殿。いい機会だ。意見を聞かせてくれないか?」
初江王「供養による亡者の減刑に疑問を持つ者もいるがどう思われる?」
貴方「そうですね…確かに短絡的にそのルールに従えば供物の多い金持ちや権力者ばかり減刑になります」
鬼灯「しかし“人望”は亡者の重要な要素。その公正な判断こそ我々の役目と自覚しております。遺族の強い祈りを無下にはできません」
王「うむうむ」
しん広王「しかし人口爆発によって我々も多忙になりましたな」
初江王「昔はもう少し一人一人丁寧に裁判できたのですがねえ」
王「今は物も豊かで供物の量自体は増えていますが……」
王「だからといって昔より敬虔だと判断するのは浅はかですしなぁ」
しん広王「それにあの供物の山…大半は処分となっているでしょう?」
初江王「もったいないですよねえ」
太山王「この供物問題は何とかせねばなりませんな」
鬼灯「ええ。ですので……
手始めにこの会食の料理と飾り全て供物でまかなってみましたよ」
貴方「そちらじゃ●りこで作ったポテトサラダです」
王「…マジか……」
王「これ後で袖の下って言われないかな?」
閻魔「…君ね……十王で試すなよ…」
供物は全て十王がおいしくいただきました