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猫に小判

第4章 夏休み


夏休み。
ほとんど部活部活で息つく暇がない。
あり得ない。こんなに暑い中走るなんて。
皆んなどうかしてるよ。

もうすぐ合宿もやってくる。
森然高校ってとこまで行っての合宿なんて本当疲れそうで今から行きたくない。

部活が終わって片付けを1、2年でしていると、クロが皆んなに聞こえるように言った。

「なぁおい、今日って花火大会の日じゃねーか?」

嫌な予感がする。

「みんなで行こうぜ!」

「あーいっすねー!!」「いーんじゃないか?」「行こう行こう」

クロの言葉に皆んな乗り気みたいだ。
俺は早く帰りたい。涼しい部屋でゲームがしたい。

何も言わずに片付けを終えて帰ろうとすると、クロに肩を掴まれた。

「研磨くーん。まぁまぁ一緒に行こうぜ。」

「嫌だ」

ギッとクロを睨むと、いつもの企み顔で耳打ちをされた。

「もしかしたら例の彼女、きてるかもよ?」

その言葉に一瞬だけ考えてしまう。
ほのかに嫌われたくなくてあんな態度を取ってしまったけど、喪失感は感じてたからもし少しでも見れたら嬉しい。
花火大会も学校から遠くないし、学校近くに住んでるほのかなら行くかもしれない。

ニヤリ顔のクロに負けた気がしなくもないけど、今回はしょうがない。

「少しだけだよ」

と言うと、はぁーい研磨も参加ー!と大きな声で言われた。
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