第5章 【騎士と王】FGO/ギル夢/主人公・女騎士/切

手を伸ばせど伸ばせど、彼の背中は遠くて、分かりきっていることなのに、それでも貴方に触れたいと思う私は、きっと傲慢、なのだと思う。その隣を胸を張って歩きたいと、幾度となく願ったけれど、敵わないし、届かない。

私はただの宮廷騎士で、彼はこの一国の王である。

私は欲しがりだ。
身の程知らずだ。
無礼者だ。

それでも、ずっと私は想い描き続けている。

どこか遠い遠い未来で、貴方と手を繋ぎ、共に笑い、泣き、二人だけの歴史を紡いでいくことを。