one piece of my Dream [ワンピース]
第1章 愛してる
鏡の前に立ち、じっと自分の顔を見つめる。
短くてボサボサの髪。
本当はラサラのストレートなのに…………
少し長めの前髪で隠された目だって、
サラシで窮屈につぶされた胸も、
「……ちゃんとすれば、女の子に見えるかな?……」
鏡の向こうの自分に問いかける。
はぁ。言ってて虚しくなる。
「…こんな僕を女だと思うやつがいるはずがない……」
「そうか?俺は、しんは女としか見てないぜ?」
その声に振り向くと、キヨがドアにもたれかかりながらこっちを見ていた。
「…………ばかじゃないの……」
少し戸惑った声が、
それを感じ取られたくない僕が、
逃げるようにキヨの横を通り抜ける。
「あんま、あぶねぇことばっかすんなよしん」
『心配すんじゃねぇか』と、僕の後ろの方で小さく聞こえた。