one piece of my Dream [ワンピース]
第9章 心の在処
「……キヨっ……!!…」
ガバッと飛び起きたそこは、
僕がいつも寝ているソファーだった。
「……あ、れ?…キヨ……は?…」
誰に聞くわけでもなく、ただ一人言葉を漏らす。
「大丈夫か?」
その声に視線をずらすと、
僕の足元でゾロが心配そうに見ていた。
「…ゾロ………僕、寝てた…?…」
……あれは、夢………
「…ああ………って、なんで泣いてんだよっ?!」
僕の顔をみて驚いたゾロの手がほほに触れる。
ぐっと親指で拭われた涙はゆっくりとゾロの指を伝って落ちた。
「……キヨに……会ったんだ…」
たとえ、それが夢だったとしても、抱きしめてくれた感覚がまだ残っている。
『もうすぐ逢える』
キヨのこの言葉は、僕の願望なのだろうか……
「……そうか…」
嬉しい僕の声と違い、
ゾロの声が寂しく響く。
「……ゾロ?………っちょ…」
心配して除きこんだ途端、唇を退がれた。
「……ん……んっっ……」
強引な口づけも、甘いモノに変わる。
「…今はまだ、俺のだけでいとけ……」
合間に言われた言葉さえ、もう、僕の耳には届いていなかった。