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夢過ぎる水溜りボンド

第5章 episode5


ノートのメモをひとつずつできる限り丁寧に言葉にしていく。
ステージの使い方、小道具や音楽のタイミング、掛け合いの間の取り方。
感じたこと全てを。問題を定義し、想像し得る解決法の提案。
2人は何も言わない。ただ聞いているだけ。

たまに視線を上げるとどちらかと必ず目が合う。
髪に隠れているから
あっちに自覚はないかもしれないけれど…

メモが終わる。ノートをそっと閉じ
ふーっと大きく息をすると、恐る恐る顔を上げた。

そして、沈黙。

緊張が続くからか、久しぶりにたくさん話をしたからか
妙に喉が乾く。
富永さんがコーラの代わりに注文してくれた
レモンティーに手を伸ばしたとき富永さんが呟いた。

「…なるほどね。。」

「うん。。なるほど…だね。いや。想像してたより、だよ。」

と、佐藤さんが続く。

2人がいうには
人にはそれぞれ生まれ持ったたくさんの才能の種がある。
いくつもある種から選択し育て、開花させ、活用する。
それはその人次第だと。

私には、2人とは違うものが開花していると。

「マコトちゃんさ。Pさんから聞いたんだけど来年大学受験だよね?
志望校決まってるの?地元?」

富永さんからの急な質問にドキッとした。

「いえ…まだ何も。。」

これは本当。確かに春には高校3年生になる。
決めないといけないけど逃げていること、それが進路。

「ならさ?」

そこから富永さんが私に一本の光を提示してくれた。
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