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【YP】明日もきみは風になる。

第2章 夏はまぶしい季節です。



〜✽〜✽〜✽〜


「な、なにこの豪邸………」


少しずつ日差しがきつくなり始め、夏の始まりを予感する日が増えてきた今日この頃。


私は先程まで携帯のナビアプリにある人の住所を入力し、住宅街の中を歩いていた。
そしてたった今目当ての家を見つけ、ここだと確信したのはとんでもない豪邸だったのである…………!!!


そこは今泉くんの家だった。
学校が休みの期間ではないときに4日間もの合宿を行ったため、帰ってから補習はもちろん行われたがそれだけで済むわけがなかった。
補習とは別に大量のプリントが課された。


困った私達はそれをクリアするために、休みの日に集まって皆で勉強しよう!!ということになったのである。
そこで勉強場所として選ばれたのが今泉くんの家だった。


普段から、彼の持ち物や発言などから何となくお金持ちなんだろうなと感じる場面は多かったが、それにしても予想より遥かに大きな邸宅を前にして私は正直びびってしまっていた。


何故なら、こんな豪邸に見合うような手土産を持参していない。
勉強道具の詰まったバッグの他に、申し訳程度に持参した自分の好きなお店のクッキーが入った紙袋を見つめため息をつく。


このクッキーは大好きだけど。
明らかに金額が釣り合わない。


やはりロードのようなお金のかかるスポーツをやる家の子は、総じてお金持ちのお坊ちゃんなのだ。鳴子くんも何台も自転車を持っていたとかいう話を聞いたことがあるし、間違いない。
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