第4章 煌めき
私はその後、鬼殺隊に救われた。選別を突破し、すでに十二鬼月を斬っていたのですぐ柱となった。
私の殺人の証拠は母親により全て消し去られていたため、訴えられることもなかったのでのうのうと空の下にいた。
「父を殺し、隊士を殺しました。」
「……お館様は許されない罪だとおっしゃっていた。何をしても償えない一生の罪。」
「…そうです」
「お館様が最後におっしゃった。あれ以来、お前のことは話さなくなったよ。」
実弥が私に手を伸ばす。涙を拭いてくれた。
「『罪としてでは霧雨を許すことはできない。それでも、人間としてでは私は私の子供を傷つけた父親を許せない』ってな。」
私は目を見開いた。また涙が落ちる。
「……その通りだ。事情を聞いたあとでも俺はお前の罪が許せねぇ。だが、人間としては…お前は単に可哀想だと思った。父親がひどい奴だと思った。」
実弥が涙を拭いてくれる。ごめん。止まらないんだ、ごめん。
「………!」
私はその手に驚いた。実弥の手に触れる。
「…どうした?」
実弥が首をかしげた。
私が言おうとしたとき、窓の外から声が聞こえた。
「ちゃん!」
私はハッとして顔をあげた。
「おばさんだ。」
「さっき呼んだ人か?」
「う、うん。」
「わかった。さっさと服直せ。」
実弥は反対方向を向いた。
私は大急ぎで直した。
パニックでそのままだった。
「実弥、学ランありがとう」
「ん」
やっと彼がこっちを向いたところで私は窓を開けた。
涙も止まった。
「おばさん、私こっち。」
「ちゃん!良かった、お隣さんにいたの。」
「こんにちは」
実弥が挨拶をした。
「兄さんと姉さん、この家から追い出したからもう大丈夫よ。ちょっとお話ししましょう、ね。」
おばさんが優しく言ってくれたので私は窓を飛び越えた。
「まぁ、お転婆。」
彼女はクスクス笑った。