第4章 煌めき
学校生活にも慣れてきた頃、仲の良いグループで皆固まり出した。私は女子グループにいたし、実弥とはあまり話さなくなった。
男子で言うなら伊黒くんが仲良いかもしれない。部活でよく話すし。伊黒くんと実弥たちは話したところを見ないので、前世については触れないようにしているのだろう。伊黒くんはそもそも前世を知らないみたいだし。
胡蝶さんはそもそもクラスが違うので全く話さない。
そんななかでも部活は楽しい。私は毎日何かしらの部活に顔を出していた。
吹奏楽部ではトランペットの練習に精を出す。一年生はコンクールに出られないので毎日基礎。
私と実弥は楽譜が読めないので他の新入部員より送れていたが、何とか追い付くことができた。
夏にもなると先輩達はコンクールに忙しそうだった。
何よりも宇随先輩。美術部も絵のコンクールがあって、そちらの方に焦点を定めているので行ったり来たりと大変そうだ。
かく言う私も行ったり来たり。休憩時間になると将棋部と美術部を行き来した。
将棋部は大会とかないのでのんびりしている。美術部のコンクールに私は出展しないのでこちらものんびりしている。
でも絵を描くのは楽しいので積極的に顔を出していた。
「芸術は爆発だあッ!!ド派手にいくぜえええええ!!!!!」
先輩は絵の具を塗りたくっている。
伊黒くんと私は部室の隅で大人しくしていた。彼の作品は順調みたいだ。宇随先輩も時折アドバイスしていたし。
「私も次のコンクールは出そうかなぁ。」
「出したら良いんじゃないか。霧雨の絵は丁寧で良いと思う。」
「伊黒くんは細部に拘るから綺麗な絵になるよね。」
暴れ狂う先輩をよそに平和に話していた。