• テキストサイズ

キメツ学園【鬼滅の刃】

第16章 餓鬼


今度こそ寝ないようにと今日はしっかり寝た。

午前中は余裕で切り抜け、次は問題の午後だ。しかしその前にお昼ごはん。

トイレに行った後にカナエにばったり遭遇した。


「!ねえねえ、見せたいものがあるの~!」

「な、…カナエ、引っ張らないで。」


そして無理に連行された。いったいなにかと思えば華道部の部室だった。


「クリスマスにお花を生けようってなったんだけど、その時に着物を着るの。」

「……綺麗だね。」


華道部の部室は将棋部同様和室になっていて、そこに着物が置かれていた。部員分あるのだろうか。圧巻だな。


「でしょ!?レンタルなんだけどね。私はこれ着るの!」


カナエが手に取ったのは桃色地の椿柄。


「冬らしくていいねぇ。」

「ふふふ、楽しみ~。」


嬉しそうに笑うカナエはかわいい。

思えば、着物って着たことないな。前世でも洋服着てたからな。……今と全然違うやつだけど。


「?」


カナエが名前を呼ぶ。

私の頭の中には、何かが流れ込んでいた。


昨日の、あのお風呂の中で。


過去の私は、私にあるものを渡してきた。それが何だったのか、よくわかっていなかったが。


今、はっきりとわかる。


「…カナエ」

「何?」


心配そうに私のもとに歩み寄ってくる。


「……カナエは、前世のこと全部覚えてる?」

「?うん、そうだけど…急にどうしたの?あまりその話しないじゃない。」

「うん、ごめん…。」


私は今、はっきりとわかったそれを自らの中に秘めた。

言えない。



こんなこと、言えない。



/ 457ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp