第2章 綺麗にしましょう
三日月様が落ち着くのを待ち、一緒に本丸の中へ入った。
まず、審神者部屋を探そうと思い廊下を進もうとすると、
「なぁ、審神者よ」
三日月様に呼び止められた。
「どうかいたしましたか?」
「その......、手入れをしてもらえはせぬか?」
「手入れ、ですか...」
資源があればできるが、こんな本丸に資材は残っているのだろうか。
「ではまず、倉庫に行って資材の確認をしましょう。資材がなければ別の方法がないか調べます」
「あいわかった」
──倉庫──
「全くない........!?」
資材はほとんどなかった。
「こんのすけ、他に方法はありませんか?」
「そうですね......、時間がかかる上に審神者の体力をかなり消耗しますが、やってみますか?」
「やります、教えてください」
「抱擁するのです」
ん?
今、抱擁って言った?
こんな綺麗な人とハグするの?
「抱擁か.......」
三日月様、困ってる。
そりゃそうだよね。だって今日会ったばかりのまだ信用しきれてない人とハグしなきゃなんだもん。
「三日月様、........どうなさいますか?」
しばらく考えた末、顔をこちらに向けると、
「お主を抱擁し続ければ良いのだろう?こちらへ来い、たったままはしんどいだろうから座ってしよう」
そう言うと三日月様は私の手を引き、比較的綺麗な部屋へと誘った。