• テキストサイズ

★イケメン戦国★明智光秀と、はぶ・あ・ぶれいく♪

第10章 幸達磨-yukidaruma-


真剣な眼差しで正面から見据えられ、身体に緊張が走った。



「なんでもなく、ないだろう?」



それはついさっき、機嫌のいい理由を誤魔化したことを言っているのだと気付いて、私が言葉に詰まるのを見ると、光秀さんはようやく表情を緩ませた。



「俺を誤魔化せるつもりでいたのか?」



そう言われ、諦めからかふっと体の力が抜けた。



(やっぱり、光秀さんに誤魔化しは通用しない、か……)



「さあ、白状しろ。……お前をそんなに笑顔にさせるのは、何の仕業だ?」



優しい眼差しと穏やかな声が心の蓋をつつく。

私に秘密を吐かせるにはどうすればいいか、光秀さんはよく知っている。



(そんなふうに尋問されたら……)



ここまで何度も飲み込んだ言葉が口を吐く。



「帰れなくなってしまったのが……嬉しいんです」

「…ん?」

「だって……ここに軟禁されてる以上、光秀さんはどこにも行かないじゃないですか…」

「……〇〇」



私の言葉に、光秀さんはわずかに眉根を寄せた。

その顔を見ると胸がチクッと痛むから、縁側に並ぶ可愛らしい雪だるまに視線を逃がした。



「何も言わず出て行ったまま、数日帰ってこなかったり……ようやく帰ってきたと思ったら、またすぐにお仕事に行かなきゃいけなかったり……一緒に眠ったはずなのに、夜中に目が覚めるといなくなってたり……」



決して言うまいと、心の奥底にしまい込んでいた想いが、ぽろぽろと口から零れ出ていく。



「それが光秀さんの生き方だってわかってます。それを改めてほしいだなんてこれっぽっちも思ってません。でも……やっぱり、傍にいてほしくて……光秀さんを待っている時間は、寂しくなっちゃうんです……」



/ 126ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp