第17章 【下弦の伍】累

累くんの言っていることは何かということはすぐに分かった。
はやく絶頂を迎えたい。
まどろっこしい熱は私の判断能力を鈍らせていることに私は自分で自覚がないくらいに、ただ今は累くんが欲しい。

「はやく言って」

冷たい声が拍車をかける。
腕が軽くなったと思って動かしてみると、腕に巻き付いていた糸がとれていた。
私は自由になった腕で累くんを抱きしめた。

「累くんのことが好き…大好き…だから、はやくちょうだい…」

自ら唇を寄せて舌を絡ませる。
そして唇が離れて銀の糸が私たちを繋いだ。

「いいよ、ぜんぶあげる」

「ああんっ！だめっ、激しっ…！ああ！ん！んん！」

さっきの速さなんかよりも速くて力強い腰の動き。
累くんに掴まっていないと振り落とされてしまいそうだ。