• テキストサイズ

貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜

第16章 離れない、離さない






「–––嬉しかったんだ、ほんとは」



(え……?)

呟くように言った家康さんの顔が、間近で苦しげに歪む。

「あのまま死ぬんだと思った時、あんたが現れて。あんたの顔を見た瞬間、考えるより先に、心が、喜んでた。あんたを危険な目に合わせたくなかったはずなのに……」


背中に回る腕にそっと力が込められ、胸に頭を抱き寄せられる。

胸板が触れて、どくどくと鳴る鼓動が私の肌へじかに伝わった。

(心臓の音、すごい……。今、家康さん…どんな顔、してるんだろう……? )

息が詰まるほど身体じゅうが熱くなって、目を上げる。

思い詰めたようなしかめっつらと、真っ赤に染まる首筋が間近に見えた。

(これって……これって……もしかして…家康さんも、私のこと……?)

よぎった思いに、期待が膨らんで鼓動が痛いくらい跳ね上がる。

/ 335ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp