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貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜

第16章 離れない、離さない



初めてここで家康さんと会った時の広間で、乃々さんを見つめる家康さんの顔が脳裏に浮かぶ。
乃々さんに向けられた優しい瞳。

私は手のひらの中にある耳飾りを、無意識にきゅっと握りしめた。

「それは?」

その仕草に気づいた信玄様が、興味深げに私の手を指差した。

「これは……。」

そっと手を開いて、七宝焼きの耳飾りを信玄様に見せる。

「へぇ?これは、また変わった物だな?贈り物か?」

「……家康さんから…貰いました。」

「家康が?あいつも、なかなか粋な贈り物するじゃねぇか。」


俯向き、耳飾りを見つめる私。
今、顔を上げればまた涙が溢れてしまう。

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