• テキストサイズ

貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜

第10章 孤独感



ーーーーーーーーーー


烈が去った稽古場では、家康が一人佇んでいた。
我ながら、冷たい人間だと自覚する。
冷ややかに放った言葉を真に受け、烈の顔が少し青ざめたのを思い出す。


かすかに胸が疼くけれど、自分自身の感情の揺れを、無視する。


(可哀そう、なんて、思わない。)

そうは思っても、形の良い瞳に涙を浮かべ、それを流すまいと必死に堪えるあの姿……

一瞬、幼い頃の自分が、重なって見えた。

(…………だから、何)

震える誰かを温めるために、優しく差し伸べる手など、持ち合わせてはいない。

/ 335ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp