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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第6章 好きの定義とは


その晩は、すごく、満たされた気分というか……幸せな気分だった。

二人でひとつの布団に包まって、頭とか背中を優しく撫でられながら、ずっと零くんとくっついたまま、いつの間にか眠りについていて。


朝になって目が覚めてもそのまま隣に零くんはいて。まずそのことにすごくホッとして。

昨日のあれこれを思い出しながら、零くんのめちゃくちゃ可愛い寝顔を眺めつつ、ニヤニヤしてたら零くんも起きたみたいで。急いで顔を引き締めた。


「……おはよう……」

「おはよう、零くん」


半分しか開いてない眠そうな目もまた可愛いな……とか思ってたら、いきなり強く抱き締められて、腕の中に閉じ込められた。

苦しい。けど……ひとつも嫌じゃない。

しばらくそのままでいたけど……ちょっと長すぎやしないか。


「……零くんは今日仕事でしょ?」

「ああ。でももう少しだけ……」


更にぎゅーっと腕に力が入り、これはさすがに息苦しい。


「朝ごはん、食べる人?」

「食べる。は?」

「食べる」

「じゃ……何か作るよ」


ようやく腕から解放されて。軽く唇を合わせて。新しい朝が始まっていった。


朝からまるで旅館の朝食みたいなものを出されて、私の目は点になりそうだった。しかも食べても美味しいっていう……


身支度を整えた零くんは、綺麗なスーツに身を包んでいて。久しぶりのカチッとしたカッコイイ姿に惚れ惚れしながら……


車で自宅まで送ってもらい、車の中でまたキスをして、別れた。



私、ほんとに彼氏ができたみたいだ。まだ実感が無さすぎるけど……
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