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上手に笑えるようになりました【鬼滅の刃】

第2章 紫娜の過去


山に囲まれたひとつの集落


真剣がぶつかり合う音が竹林に響き渡る



「紫遊雅!紫娜!そこまでだ」




初めて面をつけた練習

狭い視界に呼吸口がある訳でもない






真剣だからといって決して甘くならない
兄は父との練習していた時の傷で片目が塞がっている
それでも兄の紫遊雅(しゆうが)にはまだ届かない



「紫娜、次は紫遊佐と取りなさい」


「はい、父上」






父は錦一族の家長であり、この集落の長でもある



錦一族は"夜の呼吸"を使う
夜の呼吸は錦の血で継いでいくもので鬼殺隊の中でも
あまり知られていない
夜の呼吸と銀の髪、そして狼の面を代々引き継いでいく




カキーン



「紫遊佐!」
怒鳴り声でもないのに頭に響く父の声はいつも背中に重石となる
まだ8つなのに...


「刀もまともに振れんのか!」



この最終選別を機にやっと父から離れられる






父上、
少々あなたは厳しすぎる


兄も弟の紫遊佐(しゆうざ)も...私も
父上に認められたかった



けどあなたは鬼を滅する錦の血という縛りしか
私たちに与えてくれない

そして女である私には錦家にはどうでもいいと思ってらっしゃる
兄さえいればいいのだから








最終選別がある藤襲山まで歩いて3日かかるため今日の夜に発つ


「紫娜!鬼を斬ることよりも命を大切にしなさい」


「母上、無事に帰って来て参ります」


「父上...「さっさと行け」」



まぁわかってたかな






「姉さん!」


壁から覗くように紫遊佐がこちらにと手で招いている



「父に見つかる前に...
「兄さんからの言伝です どうかご武運を 僕からはこれを...」

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