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【NARUTO】千手扉間

第10章 覚悟


扉間が名無しに関する全ての記憶を忘れてからもういくつかの季節が巡って行った。

最初はその話に耳を疑ったが、ミトと扉間の様子を見ていればすぐにそれが真実だという事に気付く。
うちは一族はその写輪眼を以ちて幻術を操る。
故に人の記憶を操作する事ぐらい容易い事。

何故、名無しは己に関する記憶を消したのか。
最初はどうしてか分からなかったが、それでも戦場で戦う二人を見る度に自然とその理由が分かって行った。

「自らの一族も欺く、か…」

写輪眼の洞察力は日向一族の白眼には劣るとも、それでも高い洞察力を持っている。
そんな者達を欺くには一筋縄ではいかない。

名無しは己の扉間に対する気持ちに気付いたのだろう。
だから敢えて自分に関する記憶を消した。
そうする事で扉間は本気で名無しに刀を向け、術を放ち殺そうとする。
そして名無しも殺されまいと本気で応戦せざるを得なくなる。
自分達が本気で戦っている姿を見せれば一族も疑う事はない。

それが名無しの思い描く筋書きなのだろう。
だが、リスクを背負うのは当然名無しの方だ。

扉間を殺す気など最初から無い事ぐらい自分には見ていれば分かる。
しかし、このままではいつか必ず名無しは扉間に殺される。
例えそうなったとしても記憶を失っている扉間は何も思わないだろうが名無しは違う。
自分の想いを寄せた者に殺される程、残酷な事は無い。
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