• テキストサイズ

【ハイキュー!!】透明な春

第1章 序章




練習が終わり、意地でも俺を帰したくないクロと虎たちに
しつこく自主練に誘われたけど
全力で振り払って、一人で帰ろうとしている彼女を追いかける

「っ待って!……さん」

『え』

目を見開く彼女に追いつき、

「…送る、から」

精一杯、そう告げる

『いいよそんな…!練習で疲れてるだろうし、真っ直ぐ帰った方がいいよ』

慌ててそう告げる彼女も可愛いなんて、あーだめ、バカになってる

「いいから」
短く放ち、隣を歩く


「………」
『………』


おれ、ホントだめ
何かを話そうと思考を巡らせてはいるものの、やっぱり何も出てこなくって
先に口を開いたのはさんの方だった

『セッターだったんだね。すごい…似合ってる』

「…ありがと」

似合ってるって、どういう感性でそう思ったのか分かんないけど
彼女が言うんだから良い意味なのは確かだろう

『みんなレシーブ上手いねえ。ずっと見てられる』

「…うん」

ちらりとさんを覗き見れば、言葉を探しているのが丸わかりだった


「…さんの声、凄く綺麗だよね」

『へえっ!?』

「…ふ」

『なんで今笑ったの!?』

『え、ちょっ、ほんとなんで!?』と真っ赤になっておれのリュックにしがみつく
なんでもなにも、驚いた声も透き通ってて、それが面白くて…


「でも歌ってる時がいちばんかっこいいよ」


気付いたら思っていた言葉が口をついて溢れ出す


/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp