• テキストサイズ

【刀剣乱舞 R18】クロユリを食む

第6章 身だしなみは誰かの為に


本丸に来て4日目。

私はすることがない。

気軽に男士様に話し掛けられる程の勇気も信頼関係も無く、
だからといって、
ふらふらと外を出歩くわけにも、
用もないのに審神者様を訪ねるわけにも行かず、

朝食を取るために大広間へ行ったきり、部屋へ籠るしかなかった。


改めて見回すと、この部屋は
殺風景だ。

あまり明かりの入らない薄暗い部屋。

箪笥と布団と小さな机…
その他は何もない。

箪笥の中身も、審神者様が用意して下さったもの。

普段使いの着物と浴衣が入っている。

着物の正しい着方は知らないが浴衣は自分で着られるので、その要領でなんとなく着て、帯は浴衣と同じ用に結んでいた。

誰も何も言わないから、この着方が正解なのか間違いなのかもわからない…。

毎日の事だから、正しい着方を教わりたい。

どなたかに教えてもらえないだろうか…??


だけど、

「誰に声を掛けたらいいんだろう…」


私のひとり言は虚しく、

離れとなるこの部屋は本殿とは違い、しーんと静かで…


寂しさが募る。

/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp