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〖イケメン戦国〗翡翠色の向日葵《豊臣秀吉短編集》

第9章 【誕生記念】妹なんかじゃいられない! / ◆&♥





「美依が世話になったな、それは礼を言うが…本当にただ入れ知恵をしたかっただけなのか?」

「秀吉さん……?」

「男としては、女に紅をやる時は気をつけろ。色んな意味で諍いの種になる、その意味を知らないとは言わせねぇ」

「……やれやれ、嫉妬か」

「悪かったな、嫉妬で」




光秀さんの言葉にあっさり『嫉妬』だと認めた秀吉さん。
それにも驚いたけど、紅をあげる時に気をつけなきゃいけないって……?

光秀さんは苦笑気味の顔になると、私の頭を一回撫で、そのまま席を立った。
……秀吉さん、私が光秀さんに色々教わった事、よっぽど気に食わなかったんだろうな。

光秀さんが行ってしまうと、秀吉さんは私の身体から腕を離し、正面に座り直した。
そして私の様子を見て、少し心配そうに言葉を紡ぐ。




「まだ怠そうだな、今日は早めに休め」

「うん、ありがとう」

「……閨から出さないと公言したとは言え、ちょっとやり過ぎた。悪い」

「ううん、大丈夫だよ!幸せだった…から」




私が言えば、秀吉さんは少し照れたように笑った。
あ、ちょっと可愛くてかっこいいな。
照れた顔までかっこいいとか、困った人。

そして、とても賑やかな宴の中、少しだけ近づいて触れるだけの口づけをする。
それだけで、ものすごく心は満たされて……

ああ、この人を愛して良かったと。
すごく実感して、私も笑みを零したのだった。












────これは、後から聞いた話












男の人が女の人に紅を贈ったり渡すと言うのは『貴女の唇が欲しい』という求愛の意味なんだとか。
光秀さんは単に私に色々教えるために、渡してくれただけなのだろうけど。
恋仲の相手からしたら、少し気になるのかな。
私としては…秀吉さんが嫉妬してくれて嬉しかったよ。

普段は大人な秀吉さんだから。
嫉妬とか、そんなのは見せないから。
私を深く想ってくれているんだなぁって。
それが実感出来て、幸せになる。

私ばかり、溺れているんじゃない。
秀吉さんも───………

私が溺れているのと同じくらい、愛して?







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