第2章 プロローグ
『御機嫌よう』
いつものように学校ですれ違う人に手を振りながら挨拶すると顔を赤くしたり、黄色い声をあげるファン?の子達
「赤塚様すてき~!」
「赤塚様今私に手を振ったわ!」
どこを見ても女子生徒しかいないこの学校は幼稚園から大学まであるエスカレート式全寮制のお嬢様学校で私は幼稚園の時からここにいる。
「今日もすごい人気だね」
『あなたも人気でしょ?』
「君程じゃないよ」
クスッと隣で笑う彼女は、私よりも背が高く中性的な顔立ちをしておりそのルックスで紳士的な行動から王子と呼ばれているモテモテなイケメンだ。
『朝からラブレター貰ってデレデレしてたくせに』
「ふじ子?嫉妬しているの?大丈夫、私は君が大好きだよ。」
歯の浮くようなセリフを言いながら私の顎をもち上を向かせる彼女。
『知ってる。』
「はぁー。君には敵わないな。」
困ったように笑う彼女とまた何気ない話をしながら廊下を歩き階段を登る。
昔は彼女あんな感じじゃなかったのに可愛くて可憐で清楚っ!って感じだったのになんで王子様みたいになったんだろうおかしいなー。
そんなことを考えながらぼーっと登っていると。
ドンっ!
誰かとぶつかった。
「きゃっ!」
私にぶつかった子は尻もちをついて真っ青な顔で私を見ていてなにをそんな顔で見ているんだろうと思っているとふわりと身体が落ちる感覚がする。
「っ!ふじ子!!」
『あっ』
これ、死んだわ。
そう思い目を閉じると走馬灯の様なものが頭の中を流れるパパとママの顔学校での生活それとは別にどこかの会社で怒られてる女性の姿。
これは...私だ死ぬ間際に前世を思い出すとかついてないなー。前世も前世でトラックに跳ねられてあっさり死んだんだけど結構この学校楽しかったしせっかく美人に産まれてイケメンな幼馴染と百合展開だったのに....っ!
落ちながら最後に彼女を見ておこうと思って目を開けて見る。