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【呪術廻戦】廻る日の青

第16章 因中有果




「あー……そっか。なまえさんは伏黒たちに戦闘訓練つけてるって五条先生が言ってたっけ。……伏黒たち、元気してる?」

『ああ、今日もボロボロだったけど、なんとか元気にやってるよ。早く悠仁も恵たちと訓練ができるようになるといいね』

「……そっか。俺は弱くて、誰も助けらんなかったからさ。今のままじゃアイツらに顔向けできねぇんだ。だから、強くなりたい」


そういう虎杖の拳に力が入るのを感じる。ツカモトは変わらず眠ったままだ。なまえはふふ、とほほ笑みながら続けた。


『なれるさ。現にかなり順調だ』

「ホント?……映画見てるだけだけど……俺こんなんで強くなれんのかな」

『一定の呪力出力を保つことはすごく難しいことなんだ。私もかなり苦労したよ。今の悠仁みたいに、映画もたくさん観たしね』

「なまえさんも同じ訓練してたの?」

『うん、似たようなね。私も最初はこんな事に何の意味があるんだって不思議だったけど、今となってはすごく大切な事だったことがよくわかる。それに映画をたくさん観たおかげで、悟とも少し和解できたようなもんだしね』

「マジ!?二人の馴れ初めは映画好きがキッカケだったって事!?」

『はは、それは大袈裟だけど。まあ、打ち解けるキッカケにはなったんじゃないかな』

「へー!!いーなー、俺もここで映画たくさん観て好きになって、それがなまえさんと五条先生みたいに、誰かと仲良くなれるキッカケになったりすんのかな?」

『そりゃそうさ。好きな映画が同じだったり、ここに共感した、だとか、ここがこうだった、だとか、そういう話だけで延々と話せるものだよ。それだけでもう立派な友人さ。同じ映画を見て、感想を言い合えるような、そんな素敵な友人が、悠仁にもできるといいね』


そう言ってなまえは虎杖の頭をぽんぽんと撫でた。虎杖は一瞬目をまん丸くしてから、すぐに柔らかく微笑んだ。


「うん、ありがと。もし俺にもそんな友達ができたらさ、五条先生がなまえさんをスッゲー大切にしてるみたいに、俺もそいつのことスッゲー大切にする!」


嬉しそうにそう言う虎杖に、思わず頬が緩む。虎杖の笑顔につられるように微笑んでいれば、虎杖が続けた。


「なまえさんの手ってさ、ちっさくてほっそいのに、すげえ安心すんだ。なんでだろ?」


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