• テキストサイズ

俺の異世界奮闘記

第8章 港町フォードス


賑やかな商店街には、魚介類の専門店だけじゃなく、レストランや土産物屋も建ち並ぶ。
「やっぱり蟹かな?」
「そうですね、蟹ですよね!」
ティアナとシャルルは蟹を食べさせる店を探していた。
(あんだけ蟹と格闘したのに、まだ蟹と格闘する気かよ…)
二人はああでもないこうでもないと言いながら店を選んでいる。

周りを見ると蟹とかバトルシザースの看板が掲げられている。
フォードスの名産だから探す必要はなさそうだけど…。
「ここはちょっと高いわね」
ティアナは値段にこだわっている様だ。
「手頃な価格ですが、お洒落じゃないですね」
シャルルは店の雰囲気にこだわっている様だ。
(こりゃあ、決まらねぇぞ)
なかなか二人の意見が合わない。

ここで一つ気が付いた。
「ちょっといいか…
俺、金持ってないぞ」
こっちの世界に来て、ローズの店に居候しているので生活には不自由はない。
が、それは店の手伝いで相殺してるから給料は貰っていない。
冒険の依頼も今回が初めてで報酬もまだない。
所謂、文無しなのだ。

「分かってるわよ
とりあえず貸しね
あっ、今回は利子付けないであげる」
ティアナがニコッと笑った。
(普段は利子付けるって事か…
本当に金の亡者なのか?)
俺は少し不安になりつつ二人の後を追った。
/ 134ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp