第2章 No.2
図書委員の仕事は週に一回、
図書館で受付の当番をする。
たったそれだけ。
図書委員の仕事がはじまったものの、
新開はインハイ前っていうのもあり、
部活を優先していたため、
基本的には私一人で当番に行ってる。
図書委員の集まりにも一人、
当番も一人…。
新開と同じ委員会になって少しだけ浮かれてしまったものの、結局は全部ひとりでやってるから、どちらかというと新開と同じ委員になって悲しむべきだったかもしれない。
(にしても今日は図書館に来るひと少ないな…。)
雨がぽつぽつと降り出し、
私はボーッと窓の外を眺めていた。
傘を相合傘しながら帰るカップル、
雨の中走ってるサッカー部、
雨宿りしてる学生…。
なにも考えずに人間観察をしていた。
・・・そんな中。
ーシャーーーーーー
雨の中猛スピードで自転車を飛ばしている人がいた。
ヘルメットの下から見える赤茶色の髪、
まっすぐ前を見ている青い瞳。
新開隼人だった。
私は彼にくぎ付けになってしまった。
こんな雨の中でもロードは走るんだ…。
かっこいい…。
前しかみないで走ってる新開がかっこよくて、
またさらに好きになってしまいそう。
諦めかけていたのに。
女の子Dの分際で好きになってはいけない人なのに。
なんなの?この胸をぎゅーって締め付ける感覚は?
お願いだから新開。もうこれ以上私を苦しめないで。
もう、後戻りできなくなってしまいそうだもん。